ライブ配信やゲーム実況では、配信者の声はとても重要です。声なしと声ありでは、圧倒的に声ありのほうが人が集まります。
そのため、ゲーム実況や動画配信でお金を稼ごうと思ったら、声出しは必須になります。
ただ、配信に声を入れるには、配信用のマイクが必要になるので、初心者の方はどのマイクを使えば良いかわからないと思います。
ここでは、これから実況や配信をしたいと考えている方のために、マイクの種類や特徴、初心者にオススメの格安マイクなどを紹介しています。
マイクの種類について
マイクには、大きく分けて「ダイナミック型」と「コンデンサー型」があります。
それぞれメリットとデメリットがあるので、それぞれの特徴をしっかり理解してマイクを選ぶ必要があります。
さらに、「マイクが音を拾う方向」や「マイクの接続方法」「ヘッドセット」など、マイクにも色々あるので、自分の用途や環境に合わせて最適のマイクを購入しましょう。
ダイナミック型とコンデンサー型
音は空気が振動することで聞こえますが、マイクはこの空気振動を電気信号に変換し、出力側で電気から音に戻して使っています。
ダイナミックとコンデンサーは、電気に変換する原理は同じですが、変換の仕方が少し異なります。
ダイナミックマイクは、「永久磁石に振動板を取り付け、声で振動版が振動することで磁束が変化して電気が発生する」という原理で変換してます。
一方、コンデンサーマイクは、コンデンサ(電気を貯める素子)の一方を振動板に変えて、振動による電圧の変化を電気信号として出力しています。
少々難しいですが、この構造の違いにより、それぞれのマイクに強みと弱みが発生します。
ダイナミックマイク
ダイナミックマイクは、カラオケなどで使われているオーソドックスなマイクです。
音を拾う範囲が狭い(感度が低い)ので、カラオケやアーティストのライブなど、周りがうるさい状況で使うのに適しています。
価格はコンデンサーマイクより安いものが多く、構造上、湿気や衝撃にも強いので、初心者の方でも扱いやすいマイクになります。
ただ、マイクの近くしか音を拾わないので、ゲーム実況や配信にはあまり向かないと思います。
コンデンサーマイク
コンデンサーマイクは、レコーディングなどで使われる音質を重視した高感度のマイクです。
感度がとても高く、離れていてもしっかり声を拾ってくれるので、ダイナミックマイクのように手で持って口に近づける必要もありません。
ゲーム実況や配信ならコンデンサーマイクが最適ですが、感度が高いため余計な音も入りやすく、構造上”振動や湿気に弱い”というデメリットもあります。
また、コンデンサーマイクは、常に電気を貯めておく必要があるので、ダイナミックマイクと違って電源が必要が必要になります。
価格はダイナミックマイクより高めですが、安いマイクもたくさん出ているので、必ずしもコンデンサーマイクのほうが高いとは言えません。
マイクの指向性
指向性とは「マイクが音を拾う方向」のことです。指向性によって音を拾う感度が変わるので、マイクを選ぶ場合は指向性も重要になります。
マイクの指向性には次の3種類があるので、用途に合ったものを選ぶようにしましょう。
指向性の種類
- 単一指向性
- 双指向性
- 全指向性
因みに、一人でゲーム実況や配信をやるなら、1つの方向から収音する単一指向性のマイクが最適です。
単一指向性マイク
1つの方向(正面)から音を拾うタイプのマイクです。余計な音を入れたくない方にオススメです。
感度の高いコンデンサーマイクでも、単一指向性を選べば、余計は音は入りにくくなります。
ただ、安いコンデンサーマイクだと、単一指向性であっても正面以外からの音も拾ってしまうので注意が必要です。
双指向性マイク
前後の双方向から音を拾うタイプのマイクです。対談やインタビューなど、対面で話す場合に最適なマイクです。
ただ、あまり使う機会が少ないので、双指向性のマイクはあまり出ていません。
全指向性マイク
全方向から音を拾うタイプのマイクです。「無指向性マイク」とも言います。大人数で配信する場合によく使われるマイクです。
余計な音も拾ってしまうので、一人で配信するなら単一指向性のほうが良いですが、気にならないなら全指向性でも良いかもしれません。
マイクの接続方法
マイクの接続方法は、主に「USB接続」と「XLR接続」の2つのタイプがあります。
USB接続は、マイクからUSBケーブルが出ているので、そのままパソコンやゲーム機器のUSB端子に接続すれば使えます。
一方、XLR接続は外部機器を介して、パソコンやゲーム機器に接続するタイプのマイクになります。
外部機器により、音の遅延やノイズ除去などが出来るので音質的には良くなりますが、外部機器の分だけ費用は高くなります。
USB接続
外部機器を介さず、パソコンやゲーム機などのUSBに直接繋ぐだけで使えるタイプのマイクです。
USBタイプのマイクは、マイクだけ購入すれば使えるので、費用を安く抑えることができます。
音質はそこまで高くないですが、今ではUSB直でもかなり高音質のマイクが多くなっています。
USBに繋げば利用できるので、PS4やSwitchなどのゲーム機にサクッと接続してゲーム実況したい方にオススメです。
XLR接続
外部機器(A/Dコンバーターやオーディオインタフェースなど)を介してパソコンに接続するタイプのマイクです。
オーディオインターフェースを介せば、音質を大きく改善できるほか、2つのマイク音や楽器の音など、複数の音を入れることができます。
音質は基本的にUSB直より良くなりますが、費用面では使用する外部機器の分だけ高くなります。
なお、オーディオインターフェースはドライバーが必要な場合が多く、PS4などのゲーム機に使えるタイプはほとんどありません(一部のみ対応)
ゲーム機に接続してサクッと使いたい方は、多少音質は落ちますが、USB接続タイプのほうがオススメです。
因みに、XLRケーブルで直接接続したい場合は、そのままでは接続できませんが、変換プラグを使えばパソコンに直接繋げることができます。
費用は安く済みますが、ノイズが発生しやすく、音質も悪くなるので、できれば外部機器を介して接続したほうが良いです。
マイクとヘッドセット
ライブで配信している方の中には、ヘッドホンを付けて配信している方もいると思います。
ヘッドホンから聞いたほうが視聴者の声がしっかり聞こえるからです。
マイクとヘッドホンは、別々で購入することもできますが、マイクが一体化したヘッドセットもたくさん出ています。
費用的にも、マイク単体で買うより安く済むので、とにかく安く済ませたという方にオススメです。
ヘッドセット
500円~3,000円程度の安い価格帯で購入できる、ヘッドホンがセットになったマイクです。
常にヘッドホンを付けている必要がありますが、マイクが一体化しているので配信する場所を選びません。
音もヘッドホンから聞くので、周りがうるさくても視聴者の声もしっかり聴くことができます。
音質的にはマイク単体より悪くなりますが、コストパフォーマンスも良いので、お試しで実況や配信をやってみたい方にもオススメです。
マイク単体で購入して使う
マイク単体で使う場合は、ヘッドセットより音質が高くなるので、本格的に配信するなら単体で購入するほうが良いです。
単体のマイクでも、3,000円程度で購入できる格安マイクがたくさん出ているので、配信するならマイク単体で購入したほうが良いと思います。
ただ、格安のマイクは中国製のものが多く、正規品のコピー商品もたくさん出回っています。
商品の説明を見ると、価格の割に誇大な表現が目立ちますが、性能的には価格相応の商品がほとんどです。
中にはすぐ壊れるような不良品を出している業者もいると思うので、商品の口コミを見てから購入したほうが良いでしょう。
実況や配信にオススメの格安マイク3選
ここでは、音質がそこそこ良くて価格が安い、コスパ最強の格安コンデンサーマイクを紹介します。
格安マイクは、コスパは良いですが、”数万円”のマイクと比べると、故障しやすいですし、音質も全然及ばないです。
ただ、安く購入できるので、お試しで配信や実況を始めるなら格安マイクで十分だと思います。
なお、実際の音質については、YouTubeにレビュー動画がたくさんあるので、そちらを参考にして下さい。
marantzプロ-888M(M4U)
マイクの種類:USBコンデンサーマイク
Amazonの評価:(4.0/5)
価格やタイプ
価格 | ブランド | 指向性 | 正面感度 |
2,980円 | marantz | 単一方向 | 記載なし |
Amazonの限定ブランド『marantzプロ』のUSBコンデンサーマイクです。価格は2,980円(2021年7月時点)
M4Uには必要なものが全て揃っているので、USBを接続すればすぐに使うことができます。
付属品
- マイクホルダー
- マイクスダンド
- USBケーブル
- A/Dコンバーター
- XLRケーブル
単一指向性なので、1つの方向から声を入れたい方にオススメ。配信やゲーム実況、在宅勤務など様々な用途で利用できます。
”2,980円”という格安マイクですが、音質もそこそこ良いので、そこまで高音質にこだわらない方には十分だと思います。
なお、marantz(マランツ)には、ほかにもたくさんのマイクがあるので、お金に余裕があればもう少し高いマイクが良いかもしれません。
FIFINE-K669
マイクの種類:USBコンデンサーマイク
Amazonの評価:(4.1/5)
価格やタイプ
価格 | ブランド | 指向性 | 正面感度 |
5,099円 | FIFINE | 単一指向 | -34dB±30% |
値段の割に高音質と評判の格安マイクです。USB端子に繋ぐだけで使えます。PS4対応。
付属の三脚マイクスタンドは、重量が80gあり、耐久性と安定性に優れています。水平・垂直の角度調節可能。
マイクは単一指向性ですが、感度が高いため、周囲に音もかなり拾ってしまうようです。
なお、価格は1年くらい前までは2,999円で販売されていましたが、評判が良かったせいか現在は5,099円まで値上がりしています。
ただ、割引も頻繁に行っているので、セールでお得になっていればかなりオススメです。現在、特選セールで”3,825円”で販売中(2021年7月18まで)
FIFINEには同じ価格帯で、”K670”や”T669”といったコンデンサーマイクもあるので、そちらもオススメです。
SONY-PCV80U
商品の種類:USBコンデンサーマイク
Amazonの評価:(4.0/5)
価格やタイプ
価格 | ブランド | 指向性 | 正面感度 |
3,767円 | SONY | 単一指向 | 40dB±3.5dB |
安心のソニーブランドの格安コンデンサーマイクです。USBに繋ぐだけで使える単一指向性マイクになります。
付属品に『USB Audio Box』という機器が付いていて、こちらを介してパソコンやゲームのUSBに繋ぐだけで使用できます。
付属品一覧
- マイクコード
- マイクホルダー
- テーブルスタンド
- USB Audio Box
- 専用USBケーブル
Audio Boxは、オーディオインタフェースほどではありませんが、音の遅延処理にも対応しているので、音質的にはかなり良くなると思います。
また、オーディオ出力端子も付いているので、直接オーディオ機器に繋ぐこともできます。
Amazonの評価は5段階中☆4です。良い評価が多いですが、口コミには様々な意見があるので、しっかり見ておいた方が良いでしょう。
マイク選びで失敗しないためには
マイク選びで失敗しないためには、情報収集が一番大切だと思います。
オススメのマイクを紹介しているサイトはたくさんありますが、それをそのまま信用すると失敗する可能性が高くなります。
こういったサイトは、紹介報酬目当ての場合が多いので、バック率が高い商品を優先的に紹介するからです。
中には嘘の内容を書いて購入させようとするサイトもあるので、1つの情報だけを信じずに色々なサイトの評価や口コミを見た方が良いでしょう。
多くのレビューを確認しよう
最近の通販サイトは、購入者のレビューが必ず公開されているので、レビューを見れば商品の善し悪しがわかります。
ただ、中には関係者が書いているレビューもあるので、できるだけレビュー数が多い商品を参考にしたほうが良いです。
<Amazonの口コミ>
良い口コミがあっても、数が少なければ信頼性は低くなりますが、同じような口コミがたくさんあれば、真実の可能性が高くなるからです。
また、商品が同じでも通販サイトによって評価やレビューが違うこともあるので、複数の通販サイトのレビューを見た方が失敗する確率は少なくなるでしょう。
YouTubeなどの動作を見る
YouTubeなどの動画サイトには、配信用のマイクを紹介している方がたくさんいます。
動画なら実際の音質を聞くことができるので、レビューなどを見るよりも失敗するリスクは少なくなります。
<マイクのレビュー動画>
マイクの紹介動画には、音声を実際に聞かせて音質を比較している動画もあるので、マイクを選ぶ時にはとても参考になります。
「格安マイクにしたいけど、音質の程度がわからないから不安」という方でも、実際の音声が聞ける動画を見れば、失敗する可能性は少なくなるでしょう。